胃がん検診 バリウムと胃カメラはどっちがいい? どんなことをする? 前日に準備がいる?

健診・検診関連

秋になると役所から胃がん検診の案内が届く方もいると思います。

地域によってバリウム検査か胃カメラのどちらか、もしくは両方選択できるところもあるかもしれません。

胃がんを見つけるにはどっちがいいの?と疑問を持つ方も多いと思います。

胃がんを見つけることに関しては、私個人の考えは胃カメラがおすすめです。

ほかにも、

「胃がんの検診といえば、バリウム飲むんでしょ」

「飲むのが大変って言われてるけど、実際はどうなの?」

「胃カメラのほうがつらいんじゃないの?」

「実際にどのくらいの費用がかかるの?」など疑問があると思います。

このページだけで全ての疑問が解消しますので、安心してください

二つの検査の利点・欠点をまとめて解説していきます。

バリウム検査(上部消化管造影検査)

バリウムの利点

  • うまく写真を撮れる条件を整えれば、だれがとっても同じような撮影ができる
  • 胃全体の形や変形を見ることができる。胃が固くなるようなスキルス胃がんは検出しやすい
  • 体位をいくつか変えながらレントゲン撮影をするため、我慢する時間が短い
  • 異物が直接入るわけではないので、苦痛自体は少なめ。
  • 医師がいなくても、検査ができる。
  • レントゲンの機械だけで対応できるため、スペースやコストが少なく済む

検診センターなどの集団方式でも対応できるため、今でも年間約500万人以上が受診しています。

一方で欠点は

  • できた写真を判断する医師の負担と精度の確保
  • 小さな胃がんを見つけるのが困難
  • 放射線被ばくをゼロにはできない
  • うまく写真を撮るのが難しいときもある。
  • 飲んだバリウムを排泄するため、下剤を使用。バリウムが出ないような病気が他にあった場合はその対応が必要になる場合あり。
  • 胃を膨らますために使用する発泡剤による腹満感、嘔気

胃の形が変化するような大きな胃がんは検出しやすいものの、小さな胃がんをレントゲンで判断するのは難しいのが現状

また、普段の診療で使うのが胃カメラになってきており、バリウム造影を判断できる医師も減ってきているのが現状です。

またバリウム検査では、胃がんを確定することは難しく、胃がん疑いとして要精密検査の判定を下します。

その次にやるのは胃カメラになります。しかし、2021年の報告(日本内科学会114巻9号より)ではバリウムで精密検査判定を受けても、

その後胃カメラを受けた人は55.6%にとどまっており、実際にバリウムで胃がんを見つけられたか、正確なところはわかっていません。

苦痛は少ないとはいえ、バリウムを出さないといけないことや、げっぷを我慢する腹満感など、多少の苦痛は避けられないところもあります。

バリウム検査の流れ

前日:夕食を21時までに済ませることと、消化に負担のかかる食べ物(揚げ物、炒め物、ラーメンなど)は避けるようにしましょう。

また食物繊維の多い野菜や海藻、キノコ類も控えるようにしましょう。

当日朝:朝食は食べずに、水のみにするのが一般的です。

検査:まず検査着に着替えます。そして、レントゲンを撮る場所まで移動します。

レントゲンを撮る場所で、まず胃を膨らませるための発泡剤を少量の水で飲みます。胃の中が膨らむので、げっぷしたくなりますが、ここを我慢します。

そのあと、バリウムを飲みます。白い液体で粘度が高いです。のど越しも良くなく、味もあえておいしくないようにしてあるようです。

美味しくしてしまうと、胃の動きが活発になり、バリウム撮影にとっては望ましくないことが起きるため、とされています。

すべてバリウムを飲んだら、検査台が動き、指示に従って体勢を変えて撮影していきます。

姿勢を変えて、胃の中のバリウムを移動させて、胃の写真を撮っていくためです。おなかを押して、撮影することもあります。

おおよそ10-15分ぐらいの撮影で終了します。

飲んだバリウムは、そのまま大腸まで流れ、排便とともに排出されます。ここで便秘の人だと、バリウムが排出されず、大腸の中で固まってしまうことがあります。

バリウムがたくさん大腸に残っていると、腸閉塞になることもあるため、検査後に下剤も処方されて、排便をするように促されます。

胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)

胃カメラの利点

  • 小さな胃がんも見つけられる
  • 検査中、検査後の処置がすぐに対応できる
  • 鎮静剤を使えば、苦痛も感じないまま検査できる
  • 放射線の被ばくがない

欠点は

  • 1人当たりの検査にかかる時間は、のどの麻酔・鎮静剤使用から回復まで考えると1時間以上かかる。(内視鏡を入れている時間は5-10分程度)
  • 鎮静剤なしの場合、のどの違和感や検査中の異物感、腹満感などが感じやすい
  • 鎮静剤ありの場合、薬による副作用や体調への負荷がある
  • 設備・人的コストがかかる。検査する場に必ず医師が必要

鎮静をしないところならば、1人当たりの検査にかかる時間は30分程度に短縮できそうですが、鎮静を希望する人の方が多いため、検査にあたっての時間と設備、人的コストはさらに大きくなります。

ただ、「胃がん検診」という胃がんを見つけるための検査という目的を考えるなら、

胃カメラの方がバリウム造影よりも早期発見、死亡率低下、がんの検出率など勝っているところが多い報告がされています。

よって、両方できる環境で選べるなら、個人一人一人の利益を考える場合、苦痛をどこまで考えるかによりますが、個人的には 胃カメラ を選ぶと思います。

ただ、胃カメラはバリウムと比べて、やはり検査を安全に行うという意味では、人的資源・機材資源がバリウムより多くかかり、

短時間で多人数を行うのには、まだバリウム造影の方がやりやすい実情もあります。

胃カメラとバリウム:保険診療で行うと、おおよそかかる費用は?

検診でのバリウム胃造影検査は4000円~5000円前後と言われています。

検診の場合は自治体からの補助などで、もっと費用が少なく済む場合も多いです。

保険診療では3割負担・検査代のみで3000~5000円前後です。診療代などが加わるので、もう少し負担額は高くなりそうです。

胃カメラの保険診療は、3割負担・検査代のみで5000~15000円前後になります。検診で行える場合は、こちらも自治体からの補助があれば負担額は少なく済みます。

胃カメラとバリウム:今後の胃がん検診はどうなっていく?

以前は内視鏡もまだ未発展でバリウムしか選択がない状況のため、公的機関からの検診案内ではバリウムによる胃がん検診でした。

2016年に対策型胃がん検診で胃カメラも選択できるようになり、今後選択できるところが増えてくるようになります。

ただ胃カメラを一定年齢になったら全員に行うのは、設備・人的・時間的にコストが大きすぎて、なかなか難しいのが現状です。

そこでまず第一段階として、胃がんのリスクになるピロリ菌がいるかどうかの確認を血液検査で行うことができます。

ピロリ菌がいる、もしくは疑わしい人だけを内視鏡検査に回すことで、より精度を上げて胃がんを拾い上げることができるのではないかといわれています。

ピロリ菌チェックの血液検査は症状がない状態では保険適応にならないので、

もし一般の診療目的に病院で希望するなら自費診療か胃カメラをやる前提で検査も行う といった方法になります。

人間ドックに組み込まれていることもあるので、もし組み込まれていたなら、まず受けてみることもお勧めです。

まとめ

胃がん検診を受けるなら、個人的には胃カメラが望ましいと思います。

胃カメラがつらそうなどあれば、ピロリ菌チェックを先に行うことも考えます。

ピロリ菌が疑わしい場合は、胃カメラやバリウム造影で追加検査をお勧めします。

ただし、検査の特徴をも踏まえて、個人にあった選択をしていくことがよいでしょう。

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