症状は? 経過観察・手術はどのような時に判断する?
消化管の領域で、ポリープと呼ばれる盛り上がった病変で代表的なものは、「胃ポリープ」、「大腸ポリープ」、「胆のうポリープ」の3つです。
今回は「胆のうポリープ」について解説します。(第1回では胃ポリープ、第2回では大腸ポリープについて解説しています。胃ポリープ編、大腸ポリープ編も読んでみてください)
胆のうポリープと聞くとどんなイメージを持ちますか?
「何か症状はあるの?」
「癌になるの?」
「自然に消えるの?、手術しないとダメなの?」などの疑問もあるかと思います。
このページだけで全ての疑問が解消しますので、安心してください
まず、胆のうポリープは自覚症状が出ることはありません。
治療が必要な場合、手段は「外科手術」になります。
発見する手段では腹部超音波検査が一番有用です。
健診での腹部超音波検査で、初めて指摘されるパターンがほとんどだと思います。
指摘されたあとに、どう対応すればいいのか、がんになるのかどうか、など解説していきたいと思います。

胆のうポリープ:胆のうの内側にできる小さなできもの
胆のうポリープは、胆のうの内側の粘膜からできる小さなできもので、多くは10mm未満のものです。
単発であったり、複数見つかる場合もありますが、大部分は良性のものです。
注意を要するのは10mm以上の大きさになったもので、がんの可能性も踏まえ経過観察の期間や治療の推奨などを考えていきます。
胆のうポリープの種類:形にも注意
- 1,コレステロールポリープ:胆汁中のコレステロールが沈着してできる。茎があることも多い
- 2,炎症性ポリープ:慢性胆嚢炎に伴ってできる。
- 3,過形成ポリープ:胆のうの粘膜が過剰に増殖してできる。慢性胆嚢炎が原因。
- 4,腺腫性ポリープ:腫瘍性であり、がんになる可能性もあるポリープ
この中で一番多いのはコレステロールポリープで約90%以上です。
形態は粒状、桑実状、乳頭状(単発、分葉)と様々ですが、粒状と桑実状はコレステロールポリープと考えてよいといわれます。
粒状の場合に胆石との区別が問題になりますが、胆石は姿勢を変えると移動し、ポリープの場合はほぼ同じ場所にとどまっているため、姿勢を変えて観察すると区別可能です。
炎症性ポリープと過形成ポリープが約5%程度で、慢性胆嚢炎が基礎にあります。
腺腫性ポリープは約1-5%前後といわれ、形は乳頭状から茸状、不整隆起と粘膜と連続する部分が広くなっている特徴があります。
画像検査では確定することができないため、はっきりさせるには組織を直接確認することになりますが、
胆のうの場合は胆のうすべてを切除する必要があり、診断+治療と同義になります。
そのため、確定診断にも外科切除が必要となるため、リスクを考えたうえで検討する必要があります。

胆のうポリープ:経過観察はどうする?
腹部超音波検査で、初めて胆のうポリープが指摘された場合は10㎜未満であれば6か月~12か月後めどで超音波検査の再検を考えます。
大きさが5㎜以下で形が粒状、桑実状であればコレステロールポリープと考えやすいですが、
初めての指摘では大きさの変化がどうなるか予測がつけられないためです。
5mm以下の小さなコレステロールポリープなら、自然に剥がれ落ちて、胆汁と一緒に排出されることで消失する場合もありうるとされていますが、頻度は5%以下です。
一般的には自然に消失することはないと考えていいでしょう。
5㎜以上で10㎜未満であれば、6か月ごとの腹部超音波検査で経過観察するか、外科手術による切除を相談します。
10㎜以上であれば、外科切除を前提に腹部造影CTやMRI、超音波内視鏡検査でより胆のうがんの可能性を考慮しつつ、切除する方法を検討していきます。
外科切除を希望されない場合は3-6か月前後の期間で腹部超音波検査を計画していきます。

胆のうポリープの治療:基本は外科切除一択
良性のポリープであれば、胆のうを切除するだけで確定診断+治療となります。
腹腔鏡で行われる場合がほとんどになります。
一方で胆のうがんの可能性がある場合、胆のうと肝臓がくっついている部分を含めた切除を考える必要があります。
この場合胆のう切除だけではなく、肝臓の一部も切除する可能性があります。
この場合は開腹手術になる可能性もあります。
胆のうポリープの予防:生活習慣で気にする点は?
胆のうポリープの主要因はコレステロール関連であり、主に生活習慣病の予防と同じような対応となります。
- 脂肪分の多い肉類、卵などの動物性脂肪の過剰摂取を避ける
- 肥満、脂質異常症、糖尿病のコントロール
- 飲酒の過剰摂取:胆のう機能に負担がかかるため
- 運動不足:胆汁の流れが悪くなるといわれるため、適度な運動が推奨されます
- 喫煙
基本はバランスの良い食事、禁煙、節度ある飲酒、適度な運動を日常的に心がけることが重要です。
無理のない範囲で持続できるようにやっていきましょう。
まとめ
今回は胆のうポリープについて解説しました。
腹部超音波検査で指摘されても、大部分は良性であり、心配不要なことが多いですが、
一度は経過観察のための検査を受けるようにしましょう。
またサイズが大きくなっていたり、10㎜以上の大きさである場合などは、
より細かく精密検査をしたり、
外科手術による胆のう切除も検討するようにしましょう。
腹部超音波検査では胆のうポリープ以外にも、多くの病気を見つける場合があります。
負担も少ない検査であり、健康診断で受けられるようなら一度受けてみることをお勧めします。
「健診で行う超音波」の記事で詳しく解説しています。よろしければご覧ください。


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