ポリープの症状は? 切除後は? どんな食事がいいの?
消化管の領域で、ポリープと呼ばれる盛り上がった病変で代表的なものは、「胃ポリープ」、「大腸ポリープ」、「胆のうポリープ」の3つです。
今回は「大腸ポリープ」について解説します。(第1回では胃ポリープについて解説してます。胃ポリープ編も読んでみてください)
「大腸ポリープってどんな症状があるの?」
「みつかったらすぐ切除するの? 切除した後はどうなるの?」
「ならないための食事はあるの?納豆なんかよく良いと聞くけどどうなの?」
などの疑問があると思います。
このページだけで全ての疑問が解消しますので、安心してください
さらに難しいことは全くありませんのでご安心ください
大腸ポリープが見つかるときは、下部消化管内視鏡(大腸カメラ)を受けたときが大半です。
ほかの方法(注腸消化管造影、大腸3D-CT)でも指摘される場合はありますが、かなり稀なケースです。
下部消化管内視鏡検査を受けるきっかけは、おなかの張りや痛み、便秘や下痢が続く、便に血が付く、血便が出るなどの自覚症状がある場合と、
便潜血検査で陽性になった場合などがあります。(別記事:便潜血検診で大腸がんを早期に見つけようでも解説しています)
大腸ポリープの場合、「無症状」がほとんどです。
ただ、前回記事にした胃ポリープと違うところは、
大腸ポリープは基本的に腫瘍(特に刺激がなくても、増殖する能力がある)であることが多く、切除が推奨されています。
内視鏡検査で発見された場合は、発見と同時に切除まで可能なことが多いです。
主に切除されることが多い大腸ポリープですが、実際にどのようなものがあるかを解説します。
大腸ポリープの形

内視鏡で見たときに、大腸ポリープの形によって以下のように分類されています。
あくまで内視鏡で確認できる見た目からであり、そのポリープに含まれる成分(良性や悪性など)については特に触れていません。
よく用いられているものはParis分類です。食道、胃、大腸に共通して内視鏡でみた形から分類されています。
- Ⅰp型:有茎性 イメージではキノコ型 細い茎があって、その上に病変がある
- Ⅰsp型:亜有茎性 細い茎が少しあってその上に病変がある。ドーム型。一番多い。
- Ⅰs型:無茎性 茎がなく、病変が大腸壁にくっついている。背丈は2.5㎜以上あるものが目安
- Ⅱa型:表面隆起型 背丈が2.5㎜未満で少し隆起しているもの
- Ⅱb型:表面平坦型 大腸壁と同じ高さで、色調が違うなどで何とか判別できるもの
- Ⅱc型:表面陥凹型 正常な部分より陥凹している状態。癌の場合は深く浸潤している可能性がある。
- Ⅲ型:潰瘍型 病変部が潰瘍の状態になっているもの 大腸では見つかっていない
- 混在型:上記のタイプが混在しているもの
Ⅰ型は隆起型と呼ばれ、たとえ癌であったとしても、内視鏡切除で根治できる可能性が高い病変です。
Ⅱ型は非隆起型と呼ばれ、癌の場合は深く浸潤している場合も考えなければいけないものです。
そのため切除する場合も、なるべく一括に切除する工夫が必要になる場合があります。
大腸ポリープの種類
腫瘍性:大腸腺腫・癌
大腸ポリープの中で約80%を占めるといわれています。組織の種類によって管状腺腫、管状絨毛腺腫、絨毛腺腫にさらに分類されます。
管状腺腫がその中で90%以上を占めます。絨毛腺腫は、その名の通り表面が細かい毛のような突起がたくさん見られる形をしています。
表面が脆くなっており、出血しやすくなったり、癌細胞に変化する可能性が高くなっている病変です。
腺腫の状態では、増殖はしていきますがゆっくりです(年単位で増大)。
ここに癌細胞が出てくると増大するスピードが速くなります。そうなる前に切除することが理想的です。
過誤腫性:若年性ポリープ
過誤腫とは、正常な組織成分が、本来ある場所で、異常に増殖したことでできる腫瘤です。大腸にも同様なことが起きて、ポリープの形で発見されます。
癌になることは稀で、症状がなければ切除も不要なことが多いですが、見た目だけで確実な判断はできないことから切除しているケースが多いです。
小児期からできてくるため、比較的若い人で大腸ポリープがあった場合はこのタイプの場合があります。
炎症性:炎症性ポリープ
大腸の炎症を繰り返し、再生・修復をする過程で、正常粘膜が過形成的に増殖する非腫瘍性のポリープです。
炎症による反応性の変化であり、癌化はほとんどありません。
ただ、これも見た目での判断が難しい場合は、切除して確認することもあります。
鋸歯状ポリープ
大腸粘膜の腺管の内側がのこぎりの歯のようにギザギザに見れるポリープのことを指します。
内視鏡の見た目は平坦・少し隆起している程度で、色調は周りとあまり差がない形をしています。
特に5mm以上で右側結腸(盲腸・上行結腸)にある場合は、SSA/P(鋸歯状腺腫/鋸歯状病変)と呼ばれ、ここから癌が発生する可能性があるタイプと言われています。
このため、基本は切除をする方針となっています。
一方でより小さく、S状結腸・直腸(肛門に近い)にある場合は、過形成ポリープと呼ばれるものであるので、経過観察で問題ないといわれています。
このポリープのことも考慮すると、右側結腸(肛門から遠い大腸)のポリープは基本切除を行い、
S状結腸から直腸付近では、過形成ポリープを疑う小さなものは経過観察として、
それ以外の管状腺腫を疑うものでは切除を行う方針になります。
大腸ポリープを切除・切除した後は?

切除する方法:電気を使わずにそのまま切り取る か 電気を使って組織を焼きながら切るか
10㎜未満のポリープは、電気を使わずにそのままスネアと呼ばれるわっかでポリープの根元を縛ってそのまま切除可能とされています。
ポリープの形はⅠ型とⅡa型までなら可能です。
電気を使わないメリットは、切除したあとの創口が後日さらに広がる可能性がほとんどなくなり、切除後の合併症リスクが少なくできます。
この方法で切除した後に入院することは、基本的にはありません。
デメリットとして、ポリープを切除するときに、どうしても浅く切除することしかできないため、がんがありそうなポリープや大き目のポリープは、切除しきれない可能性が出てしまいます。
電気を使って切除するほうは、ある程度の深さまで切除可能であり、がん細胞が混ざっていても切除しきれる可能性が高くなります。
そのため10mm以上のポリープでは、こちらの手技が基本になります。
しかし、電気を使って切除した後の創口は電気で焼けた粘膜となっており、後日この焼けた粘膜がうまく修復せず、焼けただれてしまって、傷口が広がることがあります。
広がった傷口から出血して、処置後1-2日以降に血便が出てくることもあり、再度内視鏡で出血を止める処置を行う場合もでてきます。
我々は、なるべく負担の少なく、かつ確実に病変の治療もできる方法をその場で選択します。
ポリープの大きさ、形、表面の模様などから、がんが混ざっているかどうかなど推測し、一番望ましい選択をしています。
切除した後の注意は?
電気を使わずに切除した場合は、切除直後の出血などがなければ、基本的に日常生活は特に制限なく過ごせます。
念のため飲酒や辛い物を食べる、激しい運動など=血流がよくなる行為は数日控えるようにお願いしていることが多いと思います。(処置した病院・クリニックでも少し異なると思いますので確認してみてください。)
電気を使って切除した場合は、その傷口などの状況に応じて、生活制限の指導が入ります。
数日入院してくださいといわれる場合もあるので、検査する前に日程など調整しておくと慌てずに済むと思います。
予定が合わない場合は、後日に切除するという選択もあります。
10㎜大のポリープならば、たとえ癌細胞が混ざっていても、1-2か月程度であればそこまで大きく変化することは少ないです。
日程を調節して、確実に切除できるタイミングで検査・治療をしていきましょう。
ポリープを予防できる生活習慣:食事について
ポリープを予防できる食事についてわかっていることは、大腸がんのリスクをへらす食事をすることと同じになります。
完全に予防することは難しいですが、できる範囲でやってみましょう。
- 食物繊維を摂取する:1日10g~20gを目標
- 赤肉・加工肉の摂取を控える:牛肉や豚肉、ハム、ソーセージなどを減らし、魚や鶏肉、納豆などの植物性たんぱく質をバランスよく摂取する。
- 脂質の摂取量を調整:揚げ物やファストフードなどの動物性脂肪の多い食事を減らし、オリーブオイルや魚油などの不飽和脂肪酸を多く摂取する
- 抗酸化作用のある食品を取る:緑黄色野菜や果物に含まれるビタミンC,E、カロテノイドなど
- 乳製品やカルシウムの摂取:まだ確定されていないが、リスク軽減効果あり
- アルコールの過剰摂取をやめる
まとめ
大腸ポリープの場合、基本は腫瘍性病変が大半を占めています。
そのため、小さいうちから切除を基本とする治療になります。胃と比べると、非腫瘍性の頻度はかなり少なくなっています。
検査をする準備から大変ではありますが、検査+治療ができることを考えると、やはりある程度の年齢(40歳以上)から一度は検査をお勧めしたいところです。
いきなり検査をするのは気が進まないという方は便潜血のチェックにして、そこでも陽性になるようなら、内視鏡検査を受けるという2段階制でもよいと思います。
大腸がんは自覚症状が出ないうちに見つけるのが早期発見のコツです。
大腸ポリープと言われるぐらい小さいものから定期的に検査をして、必要時に処置していけば、大腸がんの心配はなくなるのではないかと思います。


コメント