病院のイメージと言えば点滴という方もいるでしょう。でも実際に点滴することによって、どんな利点があるのでしょうか?経口投与との違いを中心に解説していきます。
点滴と経口の使われ方の違い
点滴は血管(静脈)に直接水分や薬を投与する方法で、血液を介して迅速に成分が全身に到達できます。このため、緊急時に迅速な治療が必要な場合に多く利用します。意識がない状態の人でも、血管は表面にあるので外の人が容易に処置できるのも利点の一つです。
一方、経口投与は錠剤やカプセルなどを経口で服用する方法で、消化管を通じて成分が吸収されます。この方法では、薬剤の効果が血液に現れるまでに時間がかかります。そのため、点滴と異なり、効果の発現速度が遅くなることが一般的です。 また、そもそも飲む必要があるため(薬を消化管に届けないといけない)、意識がなかったり、吐き出してしまうような状況では使うことができません。
点滴の方が経口投与より優れている?
点滴の利点をまとめると
- どんな状態の人でも早く確実に投薬できる。薬が飲めなくても投薬可能。
- 直接血管内に入れるため、安定した量を投与できる。
経口投与の利点は
- 種類が豊富 特に生活習慣病や精神系の薬は経口薬が豊富にある。
- 医療機関ではなくても、投薬できる。針を刺される負担もない。
どちらも強みと弱みがあり、状況に応じて選択しています。点滴>経口薬と必ずしも当てはまるわけではありません。
点滴することが多い状況は?
結局点滴される状況は
- 状態が悪く、経口薬投与ができない
- 消化器疾患で、経口投与自体が病気の悪化リスクになる
- 点滴薬で迅速に症状の緩和や治療が開始できる
- 点滴薬しかない病気の治療
上記に当てはまるときは、針を刺されることなどを考えても、点滴を受けることが合理的です。
一方で当てはまらなければ、経口投与でも治療できる可能性があります。
それぞれの状況によってどちらが良いかを医療者側も考えていますが、医療を受ける側もどんな理由で点滴をするのかを覚えておくと、より納得して医療を受けることができると思います。
今回は点滴をする意味について解説しました。点滴が万能のように思っている方もまだ多いかもしれませんが、点滴と経口内服の役割の違いを知ってもらい、より病気になった時の不安感などが少なくなればと思います。
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