今回は主に介護で使う用語です。ただ、受診時や入院するときに確認されることがあります(別記事:賢い患者への道第5回・親の付き添いで聞かれること)。直接聞かれるわけではありませんが、この言葉の内容を一つ一つ確認されています。
その人が、普段どんな生活をしているのかを段階的にまとめたものです。皆さんも普段の生活がどうなのか、一から説明するのは意外と難しいものです。この用語がわかると、必要最低限に把握する内容がわかります。
ADL(Activities of Daily Living):日常生活動作
生命維持に直接必要な基本的生活動作のことです。身の回りのことが一人でできるか?を指します
- 起き上がる・立つ・歩く(移動する)
- 食事をする(摂食)
- トイレに行く(排泄)
- 入浴、洗面、整容
- 着替え
これらができれば、とりあえずの生活行動は自分一人で可能です。ただ完全な一人暮らしは難しいかもしれません。
これらの動作で介護が必要な場合は、自分一人では身の回りのことができないことになるので、要介護という判定になりやすくなります。
IADL(Instrumental Activities of Daily Living):手段的日常生活動作
自立した家庭生活を送るための動作のことです。これらができれば一人暮らしも可能です。
- 買い物
- 料理
- 掃除・洗濯
- 金銭管理
- 服薬管理
- 交通機関を使う外出
- 電話の使用
これらができれば、とりあえず一人暮らしはできていると判断されます。できなくなっている項目が出てきたら、一人暮らしに見守りや支援を入れてサポートしていきます。
IAADL(Instrumental and Advanced Activities of Daily Living):手段的・高次的日常生活動作
社会参加や趣味活動などの高度な動作をすることです。仕事やボランティア、旅行、地域活動など、他人と深くかかわっていく活動を指します。
なるべくIAADLを維持することが、フレイル予防・生きがいづくりにつながります。
これらは主に動作に対しての指標です。介護保険の認定にはさらに認知機能、医学的疾患、社会生活機能なども総合的に判断していきます。
両親が高齢になっているような方では、今一度これらのことがどのくらいできているか、確認してみてはいかがでしょうか。


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