インフルエンザA型とB型、同じ特性・違う特性をまとめて解説

医療

2025年はインフルエンザA型が早く流行しました。

そのためか、2026年に入ってからすぐにインフルエンザB型も猛威を振るっている状態です。

例年であれば、インフルエンザA型の流行は12月から1月インフルエンザB型は3月ごろに散見するパターンでした。

2025年に限っては、インフルエンザA型の流行が10月スタート、インフルエンザB型が2026年1月スタートの状況になっています。

3月ならば乾燥も落ち着いてきており、そこまで大きく拡散することもなかったのですが、

1月はまだ乾燥しており、ウイルスにとって都合のいい環境になっています。

そのため、普段あまり目立たないインフルエンザB型が猛威を振るうという状況になったものと考えられます。

さて、インフルエンザにA型とB型が言われていますが、実際どんな違いがあるのでしょうか?

今回その違いを比較しながら解説していきたいと思います。

構造の違い:変幻自在に形が変わるのがA型、形は変わりにくいが、A型と異なるものをもつB型

インフルエンザA型とB型は、ウイルスの表面にある「トゲトゲ(タンパク質)」の仕組みが異なります。

治療薬は基本的に共通ですが、A型は薬に対して耐性(薬が効かなくなること)を持ちやすいという厄介な性質があります。

一方でB型型の種類が少ないものの、A型とは異なるので性質も若干違っています。

特徴的な差:3つのポイント

  1. 構造の差: A型表面のタンパク質(HAとNA)の組み合わせが144通り以上あり、常に変装(変異)を繰り返す。B型は種類が少なく(系統は2種類だけ)、変化が緩やか。
  2. 治療の共通点: どちらも「抗インフルエンザ薬(タミフル、ゾフルーザ等)」が有効。発症から48時間以内の服用が鉄則。
  3. 耐性のリスク: A型は薬に慣れてしまう「耐性ウイルス」が現れやすく、過去には特定の薬が効かなくなった事例もある。

ウイルスの構造と変異を例えると、、

A型は『最新鋭のハッカー』、B型は『地元の泥棒』

A型は、免疫というセキュリティを突破するために、毎日パスワード(表面構造)を書き換えるハッカーのような存在です。

一方、B型は手口が決まっているため、一度対策(免疫やワクチン)を覚えれば、長期間防ぎやすいのが特徴です。

症状の違い:A型は爆発的な流行と高熱、B型は消化器症状と長期化

インフルエンザA型とB型の最大の違いは、変異の速さによる流行規模随伴症状(特にお腹の症状)の有無です。


症状の違い:3つのポイント

  1. 流行の仕組み: A型はヒト以外にも感染し変異が激しいため、大規模流行(パンデミック)を起こしやすい。B型はヒトのみに感染し、変異が遅いため狭い範囲で流行する。
  2. 症状の特徴: A型は38℃以上の急激な高熱と関節痛が主。B型は熱が上がりきらないことも多いが、下痢や腹痛などの消化器症状を伴いやすい。さらに熱が長引きやすいという特徴もある。
  3. 流行の時期: 例年、12月〜1月にA型がピークを迎え、2月〜3月のシーズン終盤にB型が流行する二段構えの傾向がある。

A型とB型の症状の違いを例えると、、、

A型は『ゲリラ豪雨』、B型は『長引く梅雨』

A型は突然激しく降り出し(発熱)、街中を飲み込む(大流行)イメージです。

対してB型は、勢いはA型ほどではなくとも、じわじわと体力を削り、お腹の調子まで悪くするような、しつこい雨のイメージです。


インフルエンザA型・B型 比較表

比較項目インフルエンザA型インフルエンザB型
主な宿主ヒト、鳥、豚、馬などヒトのみ
変異の速さ極めて速い(毎年流行)遅い(数年おきに流行)
主な症状38℃以上の高熱、悪寒、関節痛発熱(微熱の例あり)、下痢、腹痛
流行のピーク12月〜1月(シーズン前半)2月〜3月(シーズン後半)
過去の代表例ソ連型、香港型、新型(H1N1)山形系統、ビクトリア系統


インフルエンザ・風邪の比較一覧表

比較項目インフルエンザA型インフルエンザB型インフルエンザC型一般的な風邪
構造の特徴亜型が多い(H1〜18, N1〜11)系統が限定的(山形・ビクトリア)構造が安定している多種多様なウイルス
主な治療薬抗ウイルス薬(耐性に注意)抗ウイルス薬対症療法のみ対症療法(安静)
主な宿主ヒト・鳥・豚(変異源)ヒトヒト・豚ヒト
重症化リスク高い中程度(子供は注意)低い低い
流行の頻度毎年(大流行あり)数年おき(局所的)散発的年中

インフルエンザA型とB型の治療に違いは?

治療薬に関しては、ほぼ共通です。

ただ過去をさかのぼると、塩酸アマンタジンという薬が一番初めにできたインフルエンザに対する薬でした。

この薬の作用する場所が、インフルエンザA型にしかないところを標的にしていたため、この薬はインフルエンザB型には無効でした。

さらに現在インフルエンザA型も変異を繰り返してきたことから、この薬がインフルエンザに使用されることはなくなりました(パーキンソン病に対しての投薬で使われることはまだあります)

一番有名な薬:タミフル(オセルタミビル)は、インフルエンザA・B型の両方に効果はあります。

ただB型の方は20-30時間ほど解熱する時間がA型と比べると遅かったという報告があります。

B型に対しては、少し効き目が鈍いと感じるかもしれません。

吸入薬のイナビル・リレンザは両方と効果はあります。

インフルエンザB型に関しては、タミフルよりも効果があると実感するかもしれません。

それは吸入薬の作用する場所がウイルスではなく、感染した細胞の方に作用し、ウイルスを細胞の外に出さないように蓋をするからです。

そのため理論上は耐性ウイルスも出ないといわれています。

一方で吸入薬のため、咳が出やすいこと・うまく吸入できたか実感が難しいことなどが欠点となります。

一番新しい薬はゾフルーザ(2018年3月)で、1回内服で治療が終わる飲み薬です。

1回で終わるため、薬の濃度が治療域に入るのが早くより効果が早く出る可能性があります。

一方で、インフルエンザA型に対しては使っていくと今後耐性を獲得する可能性があります。

若干薬代も高め(大体保険3割負担で1500円前後)です。

インフルエンザに対して点滴薬(ラピアクタ)もあります。が、治療効果に対しては他の薬と大きな差はありません。

経口摂取できないときに、検討される薬となります。

まとめ

インフルエンザA型とB型について、違いを中心に解説しました。

構造の差から、同じ名前であっても別のウイルスということは何となく理解できたのではないかと思います。

症状もその構造の差から、微妙に異なっています。

ただ同じ特徴も多く、症状からインフルエンザA型、B型を見分けることは難しいです。

さらに治療に関しても、現在よく使用される薬は両方とも効果があるので、この二つを区別する意義は少ないです。

ただ予防接種やインフルエンザの同時感染・異時感染は起こりうるので、できるなら区別できた方が安心でしょう。

そんな時に頼るのが迅速検査

ただし発症後1日以上経過してからの検査が推奨されるので、調子がすごく悪いということでなければ、みなさんも慌てず、少し経過を置いてからの方が確実です。

インフルエンザの季節ももう少しで終わるはずです。

うがい・手洗いが一番効果的な予防策なので、感染の季節でなくても癖付けをできるといいと思います。



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